開館に寄せて
2016年10月27日(木)。静岡近代美術館を、徳川十五代将軍慶喜公のお住まいになった、静岡市葵区西草深町に開設いたしました。西草深は駿府城公園、静岡浅間神社近くの住宅街であり、静岡県庁、静岡市役所から徒歩10分ほどの、静岡の中心部に位置します。
友人との会話の中に「ピカソの絵は知っているけれども、梅原龍三郎やシャガールの絵は見たことがない」など、静岡では見る機会に恵まれず、東京、神奈川、愛知まで出かけなくてはなりません。
私自身のコレクションとして、気に入った小品を夢中になって集めてまいりました。いつしか部屋がいっぱいになり、皆様に気軽にお立ち寄りいただきお楽しみいただけるよう、個人美術館の開設に至りました。
藤島武二、岡田三郎助、和田英作、梅原龍三郎、安井曽太郎、中川一政、林武、小山敬三、萩須高徳など、文化勲章受章者を中心に、注目の熊谷守一、フジタ、佐伯祐三、コロー、ルノワール、マルケ、ユトリロ、シャガール、ヴラマンク、ビュッフェなど、ご鑑賞いただければ幸いです。それぞれの画家の個性あふれる名品はきっと皆様の心に残り、何度も見たく逢いたくなるものと確信いたしております。
静岡近代美術館 館長
大村 明